2023-04-25
不動産売却後の税金の計算によく出てくる減価償却費ですが、実際よくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、不動産売却における税金の負担額に関わるため、減価償却費を正しく計上する必要があります。
そこで、不動産売却をご検討中の方に向けて、減価償却費とは何かや計算方法、注意点について解説します。
春日井市で不動産を所有していらっしゃる方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
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不動産売却後の税金計算で用いられる減価償却費について解説します。
そもそも減価償却とは、経年や日々の使用により年々価値が減少していく固定資産を取得した際に用いる会計処理法のことです。
対象となる固定資産とは、取得するのに10万円以上にかかったものを指します。
たとえば、自動車やパソコンそして不動産も対象です。
減価償却の目的は、事業経営を適正に把握することにあります。
そのため、取得にかかった費用を全額経費として計上するのではなく、法律によって定められた耐用年数で割って、毎年少しずつ「減価償却費」として計上します。
不動産売却の場合、減価対象となるのは建物の部分のみです。
土地は、経年による劣化はしないという考え方があるため、土地の部分については減価償却の対象外となります。
不動産売却で減価償却が必要なのは、売却時の利益を計算する際です。
この売却益のことを「譲渡所得」といい、譲渡所得をもとに税金が計算されます。
譲渡所得は以下の計算式で算出します。
譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用
上記の数式内の「取得費」は、不動産の購入代金や仲介手数料、登録免許税などが該当します。
建物部分に関しては、取得時から売却時までのあいだに資産価値が減少していると見なされるため、取得時の費用から減価償却分を差し引く必要があります。
このように建物を売却する際は、取得した金額をそのまま計上するのではなく、売却時点の不動産価値で計算しなければなりません。
ちなみに「譲渡費用」は売却時にかかった費用で、仲介手数料や印紙税などが該当します。
不動産売却における減価償却費の計算は、売主本人が計算しなけばなりません。
売却後に売却益が出れば、確定申告が必要になります。
そのため、確定申告までに減価償却費を算出し、売却益(譲渡所得)を計算します。
なお、確定申告は売却した翌年の2月16日から3月15日までのあいだに申告が必要です。
不動産売却の場合は、分離課税となるため会社員であろうと自らが申告をおこなわなければならないことに注意しましょう。
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次に、減価償却費の計算方法について解説します。
減価償却の計算方法は「定率法」と「定額法」の2種類がありますが、平成28年4月1日以降に取得した不動産は「定額法」しか認められていません。
そのため、不動産売却では「定額法」を用いて計算します。
定額法とは、不動産の取得価格を耐用年数で割り、毎年同じ金額を償却していく方法です。
減価償却費の計算方法は以下のとおりです。
減価償却費=建物部分の取得費(購入代金)×0.9×償却率×経過年数
減価償却費の算出で必要な「建物部分の取得費」「償却費」「経過年数」をそれぞれ求めていきます。
建物部分の取得費は「購入代金」と「購入にかかった費用」を合計した金額です。
建物部分の購入代金を調べる
まずは、建物部分の購入代金を調べるには、売買契約書に記載されている金額を確認します。
すでにご説明したように、減価償却の対象となるのは建物部分のみのため、建物部分の合計金額を確認しましょう。
ただし、売買契約書に土地と建物を合わせた金額が記載されている場合は、消費税から建物部分の金額を算出します。
土地には消費税がかからないため、記載されている消費税額は建物部分のみの税金だからです。
建物部分の代金は「契約書記載の消費税÷消費税率+消費税」で計算できます。
なお、消費税率は購入時の税率を用いることを覚えておきましょう。
購入にかかった費用を調べる
取得費は、購入代金以外にも購入時にかかった費用を計上することもできます。
たとえば、仲介手数料、登記費用、印紙税などです。
ただし、土地と建物の両方にかかった費用は、建物部分にかかった費用だけを按分する必要があります。
償却率とは、毎年減っていく価値の割合のことで、法定耐用年数に応じて決まります。
償却率は、構造や材質により以下のように定められています。
経過年数とは、不動産を購入してから売却するまでの所有期間のことです。
端数が6か月以上の場合は切り上げて1年とし、6か月未満の場合は切り捨てます。
最後に、今まで求めた数字を減価償却費の数式に当てはめて求めます。
減価償却費は、譲渡所得(売却益)の算出の際に必要です。
譲渡所得=売却価格-取得費(建物の取得費-減価償却費)-譲渡費用
この際に譲渡所得がプラスになれば、確定申告が必要です。
一方で、譲渡所得がゼロもしくはマイナスとなった場合は、確定申告は不要です。
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最後に、減価償却費の注意点を解説します。
取得費を計算する際に、購入代金を証明する書類が見当たらないというケースもあるでしょう。
取得費を証明できる書類を紛失して確認できない場合は「概算取得費」として計算します。
ただし、概算取得費を計算で用いた場合「不動産売却価格の5%」となり、実際の取得費よりも大幅に少なくなる可能性があります。
つまり、実際の取得費が概算取得費よりも多い場合は、損をするため注意が必要です。
そのため、購入時の書類が見当たらない場合は、通帳や住宅ローンの契約書などで金額がわかるものを用意するようにしましょう。
購入価格の証明として認めてもらえる可能性があります。
不動産売却では、必ずしも売却益が出るとは限りません。
もし譲渡損失が出た場合は、損益通算を検討すると良いでしょう。
損益通算とは、給与所得などほかの所得と相殺できる制度です。
損失が出た場合でも損益通算の特例制度を利用すれば、税金の負担を軽減できます。
最大で3年間繰越控除することも可能なため、節税対策にもなります。
ただし、損益通算を利用した場合は確定申告が必要なため注意しましょう。
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不動産売却において、減価償却費の計算は譲渡所得を算出する際に必要です。
正しい税額を算出するためにも、減価償却費の計算方法を理解しておきましょう。
また概算取得費による計算で損をしないためにも、購入金額がわかる代わりの書類を探すことをおすすめします。
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