買取なら契約不適合責任が免除される?売主様が知るべきメリットと安心の売却戦略

1. 売主様が抱える最大の不安、契約不適合責任とは

民法改正で変わった売主の責任

不動産を売却する際、売主様が最も気をつけなければならないのが契約不適合責任です。これは2020年4月の民法改正によって、以前の瑕疵担保責任から名称と内容が変更されたものです。

契約不適合責任とは、簡単に言えば、売買契約書に記載された内容と実際に引き渡した不動産の状況が一致しなかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。たとえば、引渡し後に事前に知らされていなかった雨漏りや、建物の主要な構造部位の欠陥、設備の故障などが見つかった場合、買主は売主に対して修繕請求や損害賠償請求を行うことができます。

仲介売却では原則として責任が発生します

一般の買主様への仲介による売却の場合、売主様は市場の相場価格で高く売れる可能性がある反面、原則としてこの契約不適合責任が発生します。もちろん、インスペクション(建物状況調査)を実施して、事前に建物の状態を明らかにすることでリスクを軽減することは可能です。

しかし、インスペクションには費用がかかりますし、調査結果によっては買主が不安を感じて購入を見送る可能性もあります。また、どれだけ丁寧に調査をしても、すべての不具合を完全に把握することは難しく、予期せぬトラブルが発生するリスクはゼロにはなりません。

私たちのお客様の中には、「売却後に何かトラブルが起きたらどうしよう」という不安から、なかなか売却に踏み切れない方も少なくありません。特に築年数が経過した物件や、相続で取得した物件など、建物の状態を完全に把握できていない場合は、この不安がさらに大きくなります。

2. 買取なら契約不適合責任が免除される理由

買主がプロの不動産会社だからこそ

買取の場合、物件を買うのは一般の個人ではなく、不動産会社です。これが仲介との最も大きな違いであり、契約不適合責任が免除される理由でもあります。

不動産会社は、購入した物件にリノベーションなどで付加価値を付けて再度販売する目的で物件を購入します。つまり、不動産のプロとして、物件の潜在的な不具合や劣化のリスクを評価し、自らがそのリスクを引き受けることを前提として購入するのです。

このプロがリスクを引き受けるという性質から、売主様に対して契約不適合責任を負わせない(免除する)という条件の契約が一般的となります。売主様は、建物の状態がどうであれ、引渡し後に修繕費用を請求されることはありません。

価格とリスクのトレードオフを理解する

もちろん、契約不適合責任の免除は売主様にとって大きなメリットですが、これには代償があります。買取の場合、不動産会社が売却後の不具合リスクを引き受けるため、また、購入希望者を探す期間が発生しない売主様の利便性も考慮されるため、仲介の場合と比較すると売却価格が低くなる傾向があります。

しかし、売主様にとっては、価格が多少低くなったとしても、売却後の法的リスクがゼロになること、そしてすぐに現金化できるという安心とスピードのメリットを優先できる点が、買取の最大の魅力となります。

3. 買取が売主様にもたらす4つの大きなメリット

メリット1 売却後の法的リスクからの完全な解放

これが買取の最も大きなメリットです。仲介の場合、売却完了後に雨漏りや給排水管の故障など、物件の不具合が発覚した場合、買主から損害賠償請求を受ける可能性があります。この法的リスクは、売却後の生活に大きな精神的負担を与えます。

買取を選べば、契約不適合責任が免除されるため、売主様は引渡し完了の時点で、その物件に関する将来的な法的・金銭的責任から完全に解放されます。これは、特に築年数が経過した中古物件や、建物の状況を完全に把握していない相続物件などのケースにおいて、極めて大きな安心となります。

メリット2 売却スピードの向上と確実な現金化

買取の場合、買主を探す期間が発生しないため、売却手続き期間が大幅に短縮されます。仲介の場合は、購入希望者を探す期間に加え、契約締結後も引渡しまで通常2から3ヶ月必要となり、半年前後を想定するのが現実的です。

一方、買取の場合は、不動産会社が直接売主様と調整を行うため、売主様のご意向に沿った期間で売却手続きが完了できます。すぐに現金化したい、住み替えの期限が迫っているといった売主様のご要望を最大限に優先して対応できます。

私たちが対応したケースでは、ご相談から2週間で売買契約を締結し、1ヶ月後には残代金決済と引渡しを完了したこともあります。これは仲介では考えられないスピードです。

メリット3 維持管理や内見対応の負担がゼロ

仲介の場合、売却が完了するまで物件の維持管理は売主様が行う必要があり、長期化するとお金や心理的な負担が伴います。また、購入希望者からの内見対応も行う必要があります。

買取の場合、買主がプロの不動産会社であるため、売主様は内見調整の煩わしさから解放され、引渡しの時期もお客様のご都合に合わせて柔軟に設定できます。特に、既に新居に引っ越されている場合や、遠方にお住まいの場合は、この負担軽減は非常に大きなメリットとなります。

メリット4 物件の状態を問わない取引が可能

仲介では、建物の状態(破損、汚損など)によっては、買主である個人の動向により、売却に3ヶ月以上の期間を要することは決して珍しくありません。場合によっては、値下げを要求されたり、購入を見送られたりする可能性もあります。

一方、買取では、不動産会社がリノベーション前提で購入するため、物件の現在の状態をほとんど問われることなく取引が可能です。売主様は、建物の解体や測量、リフォームなどの対応に煩わされることなく、現状のまま引き渡すことができます。

春日井市篠木町で相続物件を売却されたCさんのケースでは、長年空き家となっていたため建物内部がかなり傷んでいる状態でした。しかし、買取を選択されたことで、清掃やリフォームをすることなく、そのままの状態で売却することができました。

4. 買取と仲介、どちらを選ぶべきか

買取のデメリットも正直にお伝えします

買取には多くのメリットがありますが、最適な売却方法を選ぶためには、デメリットも理解していただく必要があります。買取の最大のデメリットは、やはり売却価格です。

不動産会社はリスクを引き受け、再販売のためのコスト(リフォーム費用、広告費、期間中の金利など)を考慮するため、仲介で得られる市場の相場価格と比較すると、売却価格が低くなる傾向があります。

ただし、不動産の条件や状況によっては、市場の相場価格と同等の価格で成約に至るケースもあります。そのため、買取価格を知るためには、まずは無料査定を依頼し、正確な価格を把握することが大切です。

売却プランの比較と選び方

売主様のご希望条件(金額、期間、売却時期)によって最適な売却方法は異なります。私たちは、お客様のご状況に応じて、以下の3つのプランをご提案しています。

買取保証付き仲介は、仲介での高値売却にチャレンジしつつ、売却できなかった場合に事前に定めた金額で買取ができるため、確実に期限内で売却ができるという、買取の安心感と仲介の価格メリットを両立させた戦略的なプランです。

5. 買取を選ぶ際に知っておくべき費用と流れ

買取売却の具体的な流れ

買取は、仲介と比較して工程がシンプルです。基本的な流れは以下の通りです。

1. 売却のご相談 - お客様の状況やご要望を詳しくお伺いします
2. 物件調査 - 買取査定額を算出するために、物件の諸条件を確認します
3. 買取金額の査定・決定 - 物件調査結果をもとに買取金額を算出し、ご提示します
4. 引き渡し条件の確認 - 査定価格にご納得いただけたら、引き渡し時期やスケジュールを確認します
5. 売買契約 - 契約を締結し、手付金として買取金額の一部をお支払いします
6. 残代金決済・引渡し - 物件の引き渡しを行い、手付金を差し引いた買取金額をお支払いします

買取に伴う諸費用について

買取の場合も、売却に伴う諸費用や税金が発生します。主な費用は以下の通りです。

• 契約印紙代 - 売買契約書に貼付する印紙代(売却価格によって変動)
• 抵当権抹消費用 - 住宅ローンが残っている場合に必要となる登記費用
• 登記費用 - 登記上の住所が現住所と異なる場合などに発生する費用
• 譲渡所得税・住民税 - 売却によって利益が出た場合にかかる税金

ただし、買取の場合は仲介手数料が発生しないため、この分の費用を節約できます。仲介手数料は売却価格の3パーセントプラス6万円(税別)が上限となりますので、たとえば3000万円の物件であれば約100万円の節約になります。

また、譲渡所得税については、居住用財産の3000万円特別控除や、買い替え特例など、さまざまな減税制度が用意されています。私たちは、これらの制度を最大限活用できるよう、お客様一人ひとりに最適な資金シミュレーションをご提案しています。

6. 私たちが大切にしている売主様への向き合い方

20年の経験から学んだこと

私たち株式会社不動産のいろは屋は、住宅メーカー系や全国規模の不動産フランチャイズチェーン本部・直営店で約20年にわたり住まいに関する仕事に従事してきました。その経験の中で、多くの売主様の不安や悩みに向き合ってきました。

不動産売却は、多くの方にとって人生で何度も経験することではありません。だからこそ、分からないことや不安なことがたくさんあるのは当然です。私たちは、不動産売却に関する「いろは」の「い」からひとつひとつ丁寧にお伝えし、安心、納得して売却活動を進めていただくことを第一としています。

お客様の事情に寄り添ったご提案

実際に、所有者である親御さんが寝たきりになり売却できなくなっていたというような複雑な事情を抱えたお客様や、手元に残るお金を最大化したいというご要望をお持ちのお客様など、さまざまなケースに対応してまいりました。

私たちは、お客様のすべての選択肢の中から、最適な売却プランとスケジュールを一緒にプランニングします。買取が最適なのか、仲介が良いのか、それとも買取保証付き仲介が良いのか。お客様のご状況とご希望を丁寧にお伺いした上で、プロの視点から最適な方法をご提案いたします。

春日井市に特化した地域密着のサービス

私たちは、JR春日井駅から徒歩1分の地域密着の不動産会社として、春日井市での不動産売却に特化しています。春日井市篠木町、春日井市神領町北、春日井市上条町、春日井市宮町など、地域のお客様から多数の査定依頼を受けており、地域相場や特性を深く理解しています。

この地域に根ざした知識とネットワークにより、買取の場合でも、市場の相場価格を考慮に入れた適正な価格をご提案できます。また、地域の特性を踏まえた売却戦略をご提案できることも、私たちの強みです。

まとめ 安心とスピードを求めるなら買取という選択

買取取引において契約不適合責任が免除されるというのは一般的であり、売主様にとって最大のメリットの一つです。このメリットは、売却後の法的・金銭的リスクから完全に解放される安心感を提供し、同時にすぐに現金化できるというスピード感を実現します。

確かに、買取は仲介と比べて売却価格が低くなる傾向があります。しかし、価格だけで売却方法を決めるのではなく、ご自身にとって何が最も大切なのかを考えることが重要です。

売却後のトラブルを絶対に避けたい、できるだけ早く現金化したい、内見対応や維持管理の負担を減らしたい、物件の状態に不安がある。このようなご希望をお持ちの売主様にとって、買取は非常に魅力的な選択肢となります。

一方で、時間に余裕があり、できるだけ高く売りたいという場合は、仲介の方が適しているかもしれません。また、金額と期限の両方を重視される場合は、買取保証付き仲介という選択肢もあります。

大切なのは、それぞれの売却方法のメリットとデメリットを正しく理解し、ご自身の状況に最適な方法を選ぶことです。そして、そのためには、不動産売却にかかわる正しい知識を身につけることと、信頼できる不動産会社に相談することが欠かせません。

私たち株式会社不動産のいろは屋は、お客様の理想の売却プランを見つけるお手伝いをさせていただきます。まずは無料査定から、お気軽にご相談ください。あなたにとって最適な売却方法を、一緒に考えさせていただきます。