買取の諸費用はどのくらい?仲介との比較でわかる違い
不動産の売却を考えたとき、多くの方が「結局いくら手元に残るのだろう」と不安に思われます。売却価格だけに目を向けがちですが、実は諸費用の違いが最終的な手取り額を大きく左右するのです。今回は、買取と仲介の諸費用について、春日井市で20年の実績を持つ私たちが詳しく解説します。
売却方法の選択が手取り額を決める
不動産を売却する際、売主様が必ず選択しなければならないのが「仲介」か「買取」かという問題です。この選択は、売却価格だけでなく、売主様が負担する諸費用にも大きく影響します。
私たちは日々、お客様から「どちらの方法が良いのか」というご相談をいただきます。実際のところ、どちらが良いかは一概には言えません。なぜなら、お客様それぞれのご事情やご希望によって最適な方法が異なるからです。
例えば、先日ご相談にいらっしゃったAさんは「とにかく早く現金化したい」というご希望でした。転勤が決まっており、1ヶ月以内に売却を完了させる必要があったのです。このようなケースでは買取が最適でした。
一方、Bさんは「時間がかかっても構わないので、できるだけ高く売りたい」というご要望でした。定年退職後の資金計画として、少しでも多くの資金を確保したいとお考えだったのです。このケースでは仲介をおすすめしました。
重要なポイント
売却方法の選択で最も大切なのは、売却価格だけでなく「最終的に手元に残る金額」を正確に把握することです。諸費用の違いを理解することで、本当に得する選択ができます。
特に「仲介手数料」の有無は、売却にかかる総費用において決定的な違いを生みます。失敗しない売却のためには、正しい知識を身につけ、事前にしっかり準備することが何より大切です。
仲介と買取の基本的な違いを理解しましょう
諸費用を比較する前に、まずは買取と仲介の基本的な仕組みを確認しておきましょう。この違いが、費用の発生構造に直接つながっています。
買主の立場による違い
仲介と買取の最も大きな違いは、誰が買主になるかという点です。
仲介の場合、買主は主に個人のお客様です。不動産会社は売主様と買主様の間に立ち、広告活動を行って買主様を探します。つまり、不動産会社は「仲介役」として機能します。
一方、買取の場合は不動産会社自身が買主となります。私たち不動産会社が直接物件を購入するため、仲介という作業は発生しません。買い取った物件は、リノベーションなどで付加価値を付けて再販売します。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 主に個人のお客様 | 不動産会社 |
| 不動産会社の役割 | 広告活動を行い買主を探す | 直接購入する |
価格とスピードの違い
価格とスピードは、仲介と買取で大きく異なる部分です。
仲介の場合、市場の相場価格で売却できる可能性が高いです。個人のお客様に直接販売するため、適正な市場価格での取引が期待できます。ただし、買主様を探す期間が必要です。半年前後を想定しておくのが現実的で、長い場合は1年以上かかることもあります。
私たちの経験では、春日井市内の物件でも、人気エリアであれば2〜3ヶ月で売却できることもありますが、条件によっては半年以上かかるケースも珍しくありません。
買取の場合、価格は仲介よりも低くなる傾向があります。これは、私たち買取業者がリノベーション費用や再販売にかかるコストを見込んで価格を設定するためです。ただし、購入希望者を探す期間が不要なため、売主様のご希望に沿った期間で売却手続きを完了でき、すぐに現金化できます。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 価格 | 市場の相場価格で契約に至る可能性が高い | 仲介よりも価格が低くなる傾向がある |
| スピード | 半年前後を想定(長期化リスクあり) | 売主様のご希望に沿った期間で完了 |
法的責任の違いも重要です
2020年4月1日の民法改正により、不動産売却時の責任は「契約不適合責任」に変更されました。これは、契約書に記載された内容と異なる不具合が物件にあった場合、売主が買主に対して負う責任です。
仲介の場合、売主様にこの契約不適合責任が発生します。例えば、売却後に雨漏りが発覚したり、設備が故障したりした場合、売主様が修繕費用を負担しなければならない可能性があるのです。
先日も、仲介で売却されたお客様から「引き渡し後に給湯器が壊れたと連絡があった」というご相談がありました。幸い、事前のインスペクションで状態を確認していたため、大きなトラブルには至りませんでしたが、このような心配が残るのが仲介のデメリットです。
買取の場合は、契約不適合責任が免除される条件での契約が一般的です。私たち不動産会社がプロとしてリスクを請け負うため、売主様は売却後の法的・金銭的リスクから解放されます。これは買取の大きなメリットの一つです。
買取で発生する諸費用の内訳
ここからは、買取を選択した場合に発生する諸費用について詳しく見ていきましょう。買取の諸費用は仲介と比較して非常にシンプルで、最大のポイントは仲介手数料が発生しないことです。
買取で必要な主な費用
買取で発生する主な費用は以下の通りです。
- 契約印紙代
不動産売買契約書に貼付する印紙代です。売却価格によって金額が変動します。例えば、1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減税率適用時)です。 - 抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている物件の場合、抵当権を抹消するための手続きにかかる費用です。司法書士への報酬と登録免許税を合わせて、通常1万5千円から3万円程度です。 - 登記費用
登記上の住所が現住所と異なる場合などに発生します。こちらも数万円程度です。 - 税金(譲渡所得税・住民税)
売却によって利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税と住民税がかかります。ただし、これは利益が出た場合のみです。
実際の事例をご紹介します。春日井市内で2,500万円の戸建て住宅を買取で売却されたCさんのケースでは、契約印紙代が1万円、抵当権抹消費用が2万円、合計3万円程度の諸費用で済みました。
仲介手数料がゼロになる大きなメリット
仲介手数料は、売買が成立した場合に不動産会社に支払う報酬です。法律で上限が定められており、400万円を超える部分については「売却価格の3%+6万円+消費税」が上限となります。
例えば、3,000万円の物件を仲介で売却した場合、仲介手数料は以下のように計算されます。
(3,000万円×3%+6万円)×1.1=105万6千円
この105万6千円が、買取では不要になるのです。買取の場合、私たち不動産会社が買主となるため、仲介というサービスは発生せず、売主様はこの仲介手数料を負担する必要がありません。
具体的な比較例
仮に買取価格が2,700万円、仲介での売却価格が3,000万円だった場合を比較してみましょう。
買取の場合
売却価格:2,700万円
諸費用:約3万円
手取り額:約2,697万円
仲介の場合
売却価格:3,000万円
仲介手数料:約106万円
その他諸費用:約3万円
手取り額:約2,891万円
この例では仲介の方が手取り額は多くなりますが、買取の場合は売却後のリスクがゼロであることも考慮する必要があります。
仲介で発生する諸費用の内訳
仲介で売却する場合に発生する諸費用は、買取の場合の費用に加えて、仲介手数料が最も大きな比重を占めます。
仲介で必要な主な費用
仲介で発生する主な費用は以下の通りです。
- 仲介手数料
不動産会社に支払う手数料で、売却が成立した際に発生します。これが仲介の場合の最大の費用項目です。 - 抵当権抹消費用
買取の場合と同様に必要です。 - 契約印紙代
こちらも買取の場合と同額です。 - 税金(譲渡所得税・住民税)
利益が出た場合に課税されます。 - その他の費用(リスク対策費用)
仲介の場合、契約不適合責任のリスクがあるため、インスペクション(建物状況調査)や補修費用、瑕疵保険の費用が発生する場合があります。
春日井市内で3,200万円の中古マンションを仲介で売却されたDさんのケースでは、仲介手数料が約112万円、インスペクション費用が5万円、その他諸費用が3万円で、合計約120万円の諸費用がかかりました。
費用構造の違いを理解する
| 費用項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不要 | 必要(大きな負担) |
| 契約不適合責任対策費 | ほぼ不要 | 必要となる場合がある |
| 登記・印紙代・税金 | 必要 | 必要 |
正確な手取り額を把握するためには、売却価格だけでなく、仲介手数料やリスク対策費を含めた資金シミュレーションを行うことが不可欠です。私たちは、売却のご相談時に必ず詳細な資金シミュレーションをご提示しています。
費用を抑えつつ安心を最大化する戦略
売却における諸費用の計算は、単なる数字の比較だけでなく、法的リスクと売却期間の安心感を考慮する必要があります。
買取がもたらすリスクゼロの価値
買取の価格が低い傾向にあるとはいえ、売主様は以下の費用や負担を免れることができます。
- 仲介手数料:数十万円から百万円以上の支払いが不要です。
- 契約不適合責任による損害賠償リスク:責任が免除されることで、売却後の予期せぬ高額な出費リスクがゼロになります。
- 物件の維持管理費用:売却期間中にかかる固定資産税や管理費、光熱費などの維持管理の負担がありません。
- 内見対応の煩わしさ:購入希望者からの内見対応という精神的・時間的負担がありません。
先日、相続で取得された空き家の売却をご相談いただいたEさんは、「遠方に住んでいるため、何度も春日井に来るのが大変」とおっしゃっていました。買取を選択されたことで、最小限の来訪回数で売却を完了でき、大変喜んでいただきました。
買取は、価格を追求する代わりに、売却期間の不確実性や売却後のリスクという見えないコストをゼロにできる、極めて安心な売却方法なのです。
仲介で高値売却を目指す場合の戦略
仲介で高値売却を目指す場合、発生する仲介手数料やリスク対策費用は、物件の付加価値を高めるための投資と考えることができます。
私たちが提供する「いろは安心取引3大サポート」のようなサービスを利用すれば、インスペクションによる診断書を作成し、責任追及を回避する対策を講じられます。さらに、買主様には2年間1,000万円の保証(制限有り)の瑕疵保険が提供され、住宅ローン減税などの優遇も受けられるため、仲介物件としての競争力が高まり、早期売却や高値での成約につながる可能性が高まります。
買取保証付き仲介という選択肢
買取保証付き仲介は、確実に期限内で売却ができるという買取の安心感と、一般の買主様に相場価格で売却できるチャンスを両立させたい場合に有効です。
一定期間仲介でチャレンジし、売れなかった場合に事前に定めた金額で買取が実行されるため、売却期間が長期化するという仲介のデメリットを回避しつつ、高値売却のチャンスも得られます。
春日井市内の物件で、買取保証付き仲介を選択されたFさんは、3ヶ月の仲介期間中に理想的な買主様が見つかり、満足のいく価格で売却できました。「最悪の場合でも買取してもらえるという安心感があったので、気持ちに余裕を持って売却活動ができた」とおっしゃっていました。
売却にかかる税金と資金シミュレーションの重要性
仲介・買取を問わず、売却によって利益が出た場合に課税される譲渡所得税と住民税の計算は、手取り額に大きく影響します。
譲渡所得税の計算と減税特例
売却による利益(譲渡所得)とは、売却価格から取得費(購入時の費用)と譲渡費用(仲介手数料や契約印紙代などの諸費用)を差し引いた金額です。
資金シミュレーションを行う際には、以下の減税特例の適用可否を確認することが重要です。
- 3,000万円特別控除
- 空き家相続3,000万円控除
- 居住用財産の買い替え特例
譲渡所得税の計算は複雑なため、売却のご相談時に、法律や税金に関する疑問や不安を解消することから始めることが、失敗しないための大切なポイントです。私たちは、税理士とも連携しながら、お客様に最適なアドバイスを提供しています。
査定依頼と資金計画のタイミング
不動産査定は無料で依頼でき、今すぐ売却の予定がない方でも参考として査定依頼をしていただければ、売却の意思を固める参考にできます。
査定には、数時間から1日程度の机上査定(簡易査定)と、1週間程度時間がかかる訪問査定(詳細査定)があります。この査定と並行して、売却時にかかる諸費用の確認を含む資金シミュレーションを行うことが、最適な売却プランを選択する土台となります。
私たちは、査定のご依頼をいただいた際、必ず詳細な資金シミュレーションもあわせてご提示しています。「諸費用を差し引いた後、実際にいくら手元に残るのか」を明確にすることで、お客様が安心して売却計画を立てられるようサポートしています。
春日井市での売却なら地域密着の私たちにお任せください
買取と仲介のどちらが最適かは、売主様一人ひとりのご希望条件(金額、期間、売却時期)によって異なります。
約20年の経験に基づくアドバイス
私たちは、住宅メーカー系、全国規模の不動産フランチャイズチェーン本部・直営店で約20年にわたり住まいに関する仕事に従事してきた豊富な経験を持っています。
この経験から、「不動産売却に関する『いろは』の『い』からひとつひとつ丁寧にお伝えし、安心、納得して売却活動を進めていただくことを第一」としています。
「所有者である親御さんが寝たきりになり売却できなくなっていた」といった複雑な事例を含め、全てのご不安を解消し、お客様のご要望に一番合った売却方法を、全ての選択肢のなかからお客様と一緒に決めてまいります。
地域相場に基づいた適正な価格提案
私たちは、JR春日井駅から徒歩1分の地域密着の不動産会社として、春日井市での不動産売却に特化し、多くの取引実績を持っています。
春日井市篠木町、春日井市神領町北、春日井市上条町、春日井市宮町など、地域相場を深く理解しているため、仲介であれば市場の相場価格に基づいた査定を、買取であればその価格を考慮に入れた適正な価格をご提案できます。
地域密着だからこそ、春日井市特有の市場動向や人気エリアの傾向も熟知しています。例えば、JR春日井駅周辺は利便性が高く需要が安定している一方で、郊外の静かなエリアは子育て世代に人気があるなど、エリアごとの特性を踏まえたアドバイスが可能です。
まとめ:あなたに最適な売却方法を一緒に見つけましょう
買取の諸費用は、仲介手数料が発生しない点が仲介との最大の、そして決定的な違いです。これにより、売却後の契約不適合責任の免除と合わせて、売主様は費用面でもリスク面でも極めてシンプルな安心取引を実現できます。
一方で、仲介は仲介手数料はかかるものの、市場の相場価格での売却が期待でき、手元に残るお金が多くなる可能性があります。
売却に失敗しないためには、無料査定から行動を起こし、ご自身の優先順位(価格、スピード、安心)に基づいた最適な売却プランを、専門家と一緒にプランニングすることが重要です。
私たちは、お客様の立場に立って、メリット・デメリットを包み隠さずお伝えし、本当にお客様にとって最良の選択をしていただけるようサポートいたします。
売却のご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。春日井市での不動産売却なら、JR春日井駅から徒歩1分の私たち株式会社不動産のいろは屋にお任せください。
株式会社不動産のいろは屋 会社概要
所在地:愛知県春日井市上条町2丁目162 春日井駅南ハイツ1階
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