契約不適合責任とは?不動産売却で売主が知っておくべき責任とリスク回避策 | 株式会社不動産のいろは屋


契約不適合責任とは?不動産売却で売主が知っておくべき責任とリスク回避策

不動産を売却される際、多くの売主様が「物件を引き渡したら全てが終わり」と思われるかもしれません。しかし実際には、引渡し後も売主様には一定の法的責任が残り続けることをご存知でしょうか。この責任こそが「契約不適合責任」と呼ばれるもので、売主様にとって最も注意すべきリスクの一つです。

私たち株式会社不動産のいろは屋は、JR春日井駅から徒歩1分の場所に拠点を構え、春日井市を中心に不動産売却をサポートしております。代表の松波は約19年間にわたり住まいに関する仕事に従事してきた中で、「契約不適合責任を理解していなかったために、思わぬトラブルに巻き込まれた」という売主様のお声を数多く耳にしてまいりました。

そこで本記事では、契約不適合責任の基本的な内容から、具体的なリスク、そしてトラブルを回避するための実践的な対策まで、春日井市で不動産売却をお考えの売主様に向けて、わかりやすく解説してまいります。

契約不適合責任とは何か?基本を理解する

民法改正で変わった売主の責任

契約不適合責任は、2020年4月1日に施行された改正民法によって導入された比較的新しい概念です。それ以前は「瑕疵担保責任」という名称で呼ばれていました。この名称変更は単なる言葉の問題ではなく、売主が負う責任の考え方そのものが大きく変わったことを意味しています。

旧法と新法の違い

  • 旧法(瑕疵担保責任):契約時に買主が知らなかった「隠れた瑕疵(欠陥)」について売主が責任を負う
  • 新法(契約不適合責任):契約書に記載された内容と実際の物件の状態が「適合しているか」という観点で責任を判断する

この変更により、何よりも重要になったのが「契約書に何をどう書くか」という点です。契約書の記載内容が、売主様の責任範囲を直接決定づけることになったのです。

契約不適合責任の具体的な内容

契約不適合責任とは、簡単に申し上げますと、引き渡した不動産が売買契約書に記載された内容と異なっていた場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。「異なっていた」という状態を「契約不適合」と呼びます。

では、実際にどのようなケースが契約不適合に該当するのでしょうか。春日井市での売却事例を交えながら、具体的に見ていきましょう。

  • 雨漏りの発生:契約書で「雨漏りはない」と記載していたにもかかわらず、引渡し後に雨漏りが発見された場合
  • 設備の故障:給湯器やエアコンなどの設備について「引渡し時に正常に動作する」と約束していたのに、すぐに故障してしまった場合
  • シロアリ被害:建物の構造部分にシロアリによる深刻な被害があることが後から判明した場合
  • 土地の面積不足:契約書に記載された土地面積が実測値と大きく異なっていた場合
  • 境界の不明確:隣地との境界が確定していない、または契約時の説明と異なっていた場合

これらの契約不適合が発見されると、買主様から損害賠償を請求される可能性があります。場合によっては、修理費用の請求、代金の減額請求、さらには契約の解除を求められることもあるのです。

売主が負うリスクの大きさ:仲介と買取の違い

仲介売却における売主の責任

不動産を売却する方法には大きく分けて「仲介」と「買取」の2つがあります。このどちらを選ぶかによって、契約不適合責任の負担が大きく変わってまいります。

仲介売却とは、不動産会社が売主様と買主様の間に入り、一般の個人の方に物件を売却する方法です。この場合、原則として売主様に契約不適合責任が発生します。

春日井市内で実際にあった事例をご紹介しましょう。築25年の一戸建てを仲介で売却されたAさんのケースです。Aさんは物件を引き渡してから2ヶ月後、買主様から「床下からシロアリの被害が見つかった」という連絡を受けました。調査の結果、確かにシロアリの被害があり、修繕費用として約120万円を負担することになってしまいました。

仲介売却のリスク

買主が個人であるため、予期せぬ不具合が発見された際に感情的なトラブルに発展しやすく、損害賠償請求に至る可能性が高くなります。中古物件の個人間売買では、何かトラブルが起こった時に不安を感じる方が多いのが実情です。

もちろん、仲介売却には「最も高く売れる可能性がある」「手元に残るお金が多くなる」という大きなメリットがあります。しかし、引渡し後の責任を負うというリスクを十分に理解しておく必要があります。

買取売却における責任免除

一方、買取売却とは、不動産会社が売主様から直接物件を買い取る方法です。私たち不動産のいろは屋も買取を行っております。

買取の場合、買主は不動産のプロである不動産会社となります。不動産会社は物件を買い取った後、リノベーションや建て替えなどで付加価値を付けて再販売することを前提としています。そのため、物件に多少の不具合があることを織り込んで購入価格を決定します。

この特性から、買取売却では契約不適合責任が免除される条件での契約が一般的です。つまり、売主様は引渡し後の責任を負う必要がないのです。

先ほどのAさんと同じような状況でも、買取であれば売主様が120万円の修繕費用を負担する必要はありませんでした。買取価格は仲介の場合より低くなる傾向がありますが、引渡し後のリスクと不安から完全に解放されるという大きな安心感があります。

項目 仲介売却 買取売却
売却価格 高い可能性がある 仲介より低い傾向
売却期間 長期化する可能性あり 売主様の意向に沿える
契約不適合責任 売主に発生する 免除されるのが一般的

トラブルを未然に防ぐ「いろは安心取引3大サポート」

契約不適合責任のリスクは確かに存在しますが、適切な準備と対策によって、そのリスクを大幅に軽減することが可能です。私たち株式会社不動産のいろは屋では、売主様・買主様ともに安心してお取引いただくために「いろは安心取引3大サポート」をご提供しております。

インスペクションで不具合を明確化する

契約不適合責任は「契約書と異なる不具合」に対して負う責任です。ということは、逆に考えれば、事前に不具合を調査して契約書に明記しておけば、買主様はそれを承知で購入したことになり、その不具合については責任を追及されることを回避できるのです。

インスペクション(建物状況調査)とは、資格を持った建築士が建物の主要な構造部位や設備を専門的に調査し、現在の状態を診断するサービスです。

春日井市内のBさんの事例をご紹介します。Bさんは築30年の一戸建ての売却を検討されていましたが、「古い家なので何か問題があるのではないか」と不安を感じておられました。そこで私たちはインスペクションをご提案しました。

調査の結果、外壁の一部にひび割れが見つかりましたが、構造上は問題ないレベルでした。この結果を契約書に明記し、買主様にも十分に説明したうえで売買契約を締結しました。引渡し後、買主様から「事前に状態を知ることができて安心できた」と感謝のお言葉をいただきました。

インスペクションの効果

仮に不具合が発見されても、買主様に明確にお伝えすることで、責任を追及されることを回避できます。この透明性こそが、売主様の最大の防御策となるのです。

既存住宅売買瑕疵保険で費用リスクを軽減

インスペクションの結果、検査項目に問題がない場合、もしくは指摘された箇所を補修した後には、既存住宅売買瑕疵保険(以下、瑕疵保険)に加入することができます。

瑕疵保険とは、引渡し後に建物の主要構造部分や雨水の浸入を防止する部分に瑕疵(欠陥)が発見された場合、その補修費用を保険金でカバーする制度です。

私たちが提供する瑕疵保険では、引渡日より2年間、最大1,000万円の保証が受けられます(条件により制限があります)。万が一、インスペクションで見逃された構造的な不具合などが発見された場合でも、保険金で対応できるため、売主様が損害賠償費用を全額負担するリスクを大幅に軽減できます。

また、買主様にとっても大きなメリットがあります。瑕疵保険に加入している住宅を購入すると、住宅ローン減税や登録免許税、不動産取得税などで優遇措置を受けられる場合があります。これは買主様の購入意欲を後押しする要素となり、売却がスムーズに進む可能性が高まります。

設備保証で身近なトラブルを防ぐ

契約不適合責任は、雨漏りやシロアリ被害などの重大な不具合だけでなく、給湯器やエアコンといった住宅設備の故障にも及びます。

ある調査によると、中古物件を購入した方の52.8%が設備面でのトラブルを経験しているそうです。「引っ越してすぐにエアコンが壊れた」「給湯器が動かなくなった」といった身近なトラブルこそが、買主様の不満や不信感につながりやすいのです。

私たちの設備保証サービスでは、引渡日の8日目から1年間、給湯器、エアコン、キッチン、浴室、トイレ、洗面所などの主要設備について、故障時の修理代金を保証いたします(条件により制限があります)。

この保証により、買主様の引渡し直後の不安を取り除き、売主様への責任追及リスクを大幅に軽減することができます。

※「いろは安心取引3大サポート」を適用するためには、専属専任媒介契約または専任媒介契約、媒介契約期間6か月以上、媒介契約価格1,500万円以上かつ当社の査定額に対し上限120%以内であること等の条件がございます。詳細は担当者よりご説明いたします。

契約書の重要性と専門用語の理解

契約書が全てを決める

契約不適合責任は「契約書の内容との不適合」に対して負う責任です。つまり、契約書に何をどのように記載するかが、売主様の責任範囲を直接決定づけます。

春日井市のCさんは、築20年のマンションを売却された際、「雨漏りの有無」について契約書に何も記載しませんでした。実はCさんは過去に一度、ベランダから雨漏りがあったことを知っていましたが、「もう修理したから大丈夫だろう」と考え、不動産会社にも伝えませんでした。

引渡し後3ヶ月、大雨が降った際に同じ箇所から再び雨漏りが発生しました。買主様は「雨漏りがあることを知っていたのに隠していた」と主張し、Cさんは約80万円の補修費用と慰謝料を支払うことになってしまいました。

もしCさんが事前に雨漏りの履歴を契約書に明記し、「修理済みだが再発の可能性がある」と正直に伝えていれば、このような高額な支払いは避けられた可能性が高いのです。

契約不適合責任の期間設定

仲介で売却する場合、売買契約書には通常、契約不適合責任を負う期間を定める特約を設けます。一般的には引渡しから2ヶ月から3ヶ月程度が多いですが、この期間設定も売主様と買主様の交渉事項の一つとなります。

期間を短く設定すればするほど売主様のリスクは減りますが、買主様の不安は大きくなります。逆に期間を長く設定すれば買主様は安心しますが、売主様のリスクは高まります。このバランスをどう取るかが重要です。

私たちは、物件の築年数や状態、インスペクションの結果などを総合的に判断し、売主様・買主様双方にとって適切な期間設定をご提案しております。

専門用語を理解することの重要性

不動産売買契約書には、多くの専門用語や法律用語が出てきます。「瑕疵担保責任期間」「付帯設備表」「物件状況報告書」「手付解除」「違約金」など、普段耳にしない言葉ばかりです。

しかし、これらの用語を正しく理解していないと、知らないうちに不利な条件で契約してしまったり、後々トラブルに発展したりする危険性があります。

私たち株式会社不動産のいろは屋では、「不動産売却に関する『いろは』の『い』からひとつひとつ丁寧にお伝えする」ことを信念としております。契約前には必ず、契約書の重要な項目や難しい専門用語について、売主様が納得されるまで繰り返しご説明いたします。

また、無料の不動産売却セミナーも定期的に開催しており、「知らないと危険!売却基礎知識」として、契約書の読み方や専門用語の解説を行っております。

売却プランの選択とリスク管理

あなたに最適な売却プランは?

契約不適合責任のリスクをどこまで許容するか、という観点は、売却プランを選択する際の重要な判断基準の一つです。売主様のご希望条件(金額・期間・売却時期)と、リスク許容度を総合的に考慮して、最適なプランを選ぶことが大切です。

たとえば、「少しでも高く売りたい。期間がかかってもよいし、引渡し後の対応も覚悟している」という売主様には、仲介売却が適しています。前述の「いろは安心取引3大サポート」を活用すれば、リスクをかなり軽減できます。

一方で、「多少価格が下がってもよいので、引渡し後の責任を一切負いたくない。できるだけ早く確実に売却したい」という売主様には、買取売却が最適です。

私たちは、売主様のご状況やお考えを丁寧にお伺いし、メリット・デメリットを包み隠さずお伝えしたうえで、最適なプランをご提案しております。

買取保証付き仲介という選択肢

「できるだけ高く売りたいけど、万が一売れなかった場合のリスクも心配」という売主様には、買取保証付き仲介というプランもございます。

これは、一定期間仲介で売却活動を行い、期間内に売却できなかった場合は、当社が事前にお約束した価格で買い取るという方法です。高値での売却にチャレンジしつつ、最終的な売却は保証されるという、仲介と買取の良いところを組み合わせたプランです。

このように、売主様のご要望に応じた柔軟なプランをご提案できるのが、私たち不動産のいろは屋の強みです。

スケジュールに余裕を持つことの重要性

「慌てて売却は条件悪化のもと」です。特に、契約不適合責任のリスクを十分に検証し、適切な対策を講じるためには、時間的な余裕が必要です。

インスペクションの実施には通常1週間から2週間、瑕疵保険の加入手続きにも数週間を要します。また、契約書の内容を十分に検討し、買主様との交渉を行うためにも時間が必要です。

春日井市のDさんは、転勤が決まってから慌てて売却活動を始められました。時間がなく、インスペクションも実施せず、契約書の内容も十分に確認しないまま契約を結んでしまいました。その結果、引渡し後に予期せぬトラブルが発生し、転勤先での新生活のスタートに大きな支障が出てしまいました。

このような事態を避けるためにも、売却をお考えになったら、できるだけ早く行動を起こすことをお勧めいたします。スケジュールに余裕があれば、契約不適合責任のリスクを十分に検証・回避するための時間を確保でき、売却活動全体を成功に導くことができます。

まとめ:知識と準備で安心の売却を

不動産売却における契約不適合責任は、売主様にとって決して軽視できない重要なテーマです。特に仲介で売却される場合は、引渡し後も一定期間、雨漏りや設備の故障などについて責任を負い続けることになります。

しかし、正しい知識を身につけ、適切な準備と対策を行うことで、このリスクは十分に回避・軽減することができます。

契約不適合責任を回避するためのポイント

  • 契約不適合責任の基本的な内容を理解する
  • 仲介と買取の違い、それぞれのリスクとメリットを把握する
  • インスペクション、瑕疵保険、設備保証などの対策を活用する
  • 契約書の内容を十分に理解し、適切に記載する
  • 自分に最適な売却プランを選択する
  • スケジュールに余裕を持って計画的に進める

私たち株式会社不動産のいろは屋は、約19年の経験に基づき、春日井市での不動産売却を「いろは」から丁寧にサポートいたします。契約不適合責任に関するご不安や疑問も、一つひとつ解消しながら、売主様にとって最善の売却方法を一緒に考えてまいります。

春日井市で土地、一戸建て、マンション、空き地、空き家の売却をご検討の際は、まずはお気軽に無料査定や無料相談をご利用ください。全てのご不安を解消し、全ての選択肢のなかからお客様のご要望に一番合った売却方法を、お客様と一緒に決めてまいります。

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