2026-10-30

不動産取引では、細心の注意を払いながら進めても、思いもよらないトラブルが起こり得ます。
知っていれば未然に防げるものもありますので、今回は「相続未登記」が原因で起きた実際のトラブル事例と、防ぐためのポイントをご紹介します。
この記事でわかること
・相続未登記とは何か、義務化された相続登記のルール
・相続未登記の不動産を売却するときに起きたトラブル事例
・トラブルを防ぐために契約前にやっておくこと
この記事のQ&A目次
Q1.相続登記は義務になったのですか?
A.義務です。2024年4月1日から、相続を知った日から3年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
Q2.相続登記をしていない不動産は売却できますか?
A.相続人全員の同意があれば売却できます。本来は相続登記を終えてから契約するのが理想で、先に契約する場合は遺産分割協議書で同意を確認します。
Q3.離婚した前妻との間の子にも相続権はありますか?
A.あります。離婚した前妻との間の子も相続人となり、現在の配偶者との間の子と同じ割合の相続権があります。
Q4.相続した不動産の売却トラブルを防ぐには?
A.契約前に相続登記を済ませ、相続人を正しく把握して遺産分割協議書を作成し、懸念点は契約前に解決することが大切です。
相続未登記とは、不動産を相続したにもかかわらず、名義変更の登記をしていない状態のことです。現在は相続登記が義務化されており、放置するとトラブルや過料につながります。
詳しく解説していきます!
例えばお父様がお亡くなりになられた場合、お父様が所有していた財産は、奥様やお子様などの相続人に引き継がれていきます。不動産については、誰が相続したのかを法務局に登録する必要があります。いつ、誰が、どんな理由で所有することになったのかを記録するのが、不動産登記です。
現在、相続による登記が行われないまま放置されているケースが数多くあり、大きな問題となっています。しっかりと管理されず荒れ果てて近隣に迷惑をかけたとしても、誰の持ち物か分からず対処することができないからです。
民間の研究会による推計(2016年)では、所有者不明の土地は全国で約410万ヘクタールあり、九州全土の面積を上回るとされています。
その対策として、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月より前に相続した不動産も対象です。まだ登記をしていない場合は、2027年3月31日までに申請する必要があります。
ここからは、実際にあった相続未登記によるトラブル事例をご紹介します。相続登記が未了のまま売買契約を結ぶ場合には、特に注意が必要です。
詳しく解説していきます!
売主様である現所有者は、約90歳の女性です。ご主人は数年前に他界され、土地と建物を引き継いで住まわれていましたが、相続登記がなされていませんでした。
高齢で心配との理由から、一人息子の長男が新築されたお家で同居することになり、今のお住まいを売却することになりました。
幸いに購入希望者はすぐに見つかり、売買契約を取り交わしました。ただし、相続登記が未了の場合の売買契約は注意が必要です。相続の権利を持った人を明らかにし、全員が売却に同意していなければなりません。
本来は、相続登記を終えてから売買契約を結ぶのが理想です。お引渡しまでのスケジュールなど、何らかの事情で契約を先に結びたい場合は、相続人全員の同意を確認するため、遺産分割協議書を提示していただくことで契約を進めることもあります。
今回のケースでは、遺産分割協議書は作成されていませんでした。次の4点から総合的に判断し、リスクはあるものの契約へと進みました。
お引渡しの準備のため相続登記を進めたところ、想定外の相続人が判明しました。トラブルの内容と、その結果をお伝えします。
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お引渡しの準備のため司法書士に依頼して相続登記を進めてもらうと、亡くなられたご主人には離婚歴があり、前妻との間に二人の娘さんがいることが発覚しました。前妻はすでに他界されていましたが、お二人の娘さんは健在でした。
このような場合、二人の娘さんにも、長男と同じ割合の相続権が発生します。今回のケースでは、法定相続分は売主様(配偶者)が2分の1、お子様3人(長男と娘さん2人)がそれぞれ6分の1ずつです。
取引を完了するためには、次の3点が必要でした。
離婚した前妻の娘さんというデリケートな関係性の中で、これらの項目をクリアしなくてはなりません。場合によってはネガティブな感情がぶつかり、暗礁に乗り上げることも十分にあり得ます。
幸いにも今回のケースでは、前妻との間のお二人に、売買代金より法定相続分をお渡しする条件で、同意をいただくことができました。
もし同意を得られない場合は、違約解除となり、違約金を支払うことになっていました。買主様も購入や引越しに向けて様々な準備をしてこられているので、違約金を受け取れたからといってご納得されるとは限りません。場合によっては、大きな問題に発展していたかもしれません。
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相続した不動産を売却するときはどこに相談すればよい?相談費用や流れを知ろう他にも相続人が存在していたことを知らなかったのは、致し方ない面があります。しかし、相続時に相続登記を行っていれば、その時点で気づくことができました。
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相続登記は、すでに義務化されています。登記を進める過程で相続人が明らかになるため、今回のような想定外の相続人の判明を、早い段階で防ぐことができます。まだ登記をしていない不動産がある場合は、2027年3月31日までの期限を待たずに進めましょう。
相続人は、戸籍謄本などで正しく把握することが大切です。そのうえで、相続人全員の同意を確認するため、遺産分割協議書を作成しておきましょう。売却の際にも、契約をスムーズに進めやすくなります。
想定外のことが起こっても、契約前であれば大きな問題にはなりません。しかし、契約後だと多額の費用が発生したり、裁判に発展したりすることも、実際にあり得ます。気になる点があれば、契約前に解決しておきましょう。
今後も安心して不動産売買が行えるよう、事例をご紹介してまいります。売主様には、売却に関する基礎知識を身に付けていただきたいと考えております。
株式会社不動産のいろは屋について
株式会社不動産のいろは屋は、JR中央本線春日井駅南口から徒歩1分、店舗前に駐車場もご用意しています。社名のとおり、不動産売却の「いろは」の「い」からひとつひとつ丁寧にお伝えし、安心・納得して売却を進めていただくことを第一にしています。
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監修:松波 睦(宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/相続診断士/住宅・不動産業界経験約19年)
監修者のプロフィールを見る資格:宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続診断士
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