2026-05-10

不動産売却で損失(マイナス)が出た場合でも、条件を満たせば「損益通算」によって給与所得など他の所得と相殺し、所得税・住民税を大きく減らせるケースがあります。一言で言うと、「マイホームの譲渡損失だけは、特例を使えば給与と通算できる『例外ルール』がある」のがポイントです。
一言で言うと、不動産売却の損益通算には「原則」と「マイホームだけに認められた特例」の2つがあり、投資用不動産の赤字は基本的に他の所得とは通算できませんが、一定条件を満たすマイホーム(居住用財産)の譲渡損失だけは、給与所得や事業所得と通算できるケースがあります。
特に重要なのが「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」という2つの特例で、住宅ローン残高や所有期間などの条件を満たすと、マイナスをその年の給与所得から差し引けるうえ、控除しきれない分を3年間繰り越せます。
最も大事なのは、以下の4点です:
不動産売却の損益通算を理解するための最重要ポイントをまとめました。
1. マイホーム特例の存在 不動産売却の損益通算は、原則として「不動産・株など同じ『譲渡所得』同士のみ」ですが、所有期間5年超のマイホームを売却して損失が出た場合などに限り、「給与所得・事業所得と損益通算できる特例」があります。「マイホームをローン残高を下回る金額で売ったときの赤字=給与と通算できる可能性がある」「投資用・別荘などの赤字=給与とは通算できない」が基本ラインです。
2. 繰越控除による複数年への波及 この特例を使うと、売却した年の給与所得の税金を大きく減らせるだけでなく、引ききれなかった赤字を3年間繰り越して、翌年以降の給与所得とも相殺できるため、年収が高い会社員ほど「節税インパクト」が大きくなります。
3. 売却前の確認の必須性 最も大事なのは、「マイホームかどうか」「所有期間5年超か」「住宅ローン残高が売却額を上回っているか」「売却後3年間も給与所得が見込めるか」を整理し、売却前に「損益通算と繰越控除を使った場合の税額シミュレーション」をしてから、売るタイミングや価格を検討することです。
結論として、損益通算とは「ある所得で出た赤字を、別の所得の黒字と相殺することで、全体の税金を減らす仕組み」です。
一言で言うと、「プラスとマイナスを合算して、課税対象を小さくする制度」です。
所得税では、所得は大きく「給与所得」「事業所得」「不動産所得」「譲渡所得」などに分かれます。
損益通算の原則は、「不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つ」間で、一定の範囲で赤字と黒字を相殺できるというものです。
しかし、土地・建物の譲渡による損失は、原則として「他の土地・建物などの譲渡所得」とのみ通算でき、給与所得などとは通算できません。
一言で言うと、「投資用マンションの売却損を、給与とぶつけて税金を下げることは原則できない」というのがスタートラインです。
例外的に、マイホーム(居住用財産)の売却で損失が出た場合、「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」などの特例により、給与所得など他の所得と損益通算できるケースがあります。
この特例では、以下のメリットがあります:
結論として、「マイホームだけは『生活の基盤』という性格から、損失について特に配慮されている」と言えます。
マイホームの譲渡損失に関する特例は、大きく次の2つです:
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
マイホームを売却し、住宅ローン残高が売却額より多く、売却損が出た場合などの特例。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
マイホームを売却して新たなマイホームに買い替えたが、旧宅の売却損が出た場合の特例。
一言で言うと、「その家を手放して終わりの場合」と「住み替えで新居を買う場合」で、特例の枠組みが少し違いますが、どちらも「損失を給与などと通算・繰越できる」点は共通です。
結論として、マイホームの損失を給与と損益通算できると、「その年+向こう3年分の税金」をまとめて軽くできる可能性があります。
一言で言うと、「赤字を『節税リソース』として最大限活かすイメージ」です。
「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の典型パターンを簡略化すると次の通りです。
条件イメージ
この場合、一定の要件を満たすと、以下が可能です:
初心者がまず押さえるべき点は、「ローンが残っているマイホームを安く売らざるを得ないときほど、この特例の適用可否を必ず確認すべき」ということです。
具体的なイメージとして、次のようなケースを考えてみます(あくまで概算イメージ)。
前提
損益通算の流れ
その年の課税所得=給与700万円-譲渡損失700万円=0円 → 所得税・住民税がほぼ発生しない水準に。
残りの譲渡損失300万円は、翌年以降3年間に繰り越して、翌年の給与所得から差し引くことが可能。
翌年の給与所得が700万円なら、課税所得=700万円-繰越損失300万円=400万円となり、2年にわたって大きな節税効果が出ます。
一言で言うと、「マイナス1,000万円の売却損が、2年分の給与の税金を大幅に軽くしてくれる」イメージです。
一方、投資用マンションの売却で1,000万円の損失が出た場合などは、原則として給与所得との損益通算はできません。
投資用マンションの売却損:▲1,000万円
マイホームの売却損:▲1,000万円(特例の要件を満たす)
この差が、「『マイホームだけ』に与えられた損益通算の特別扱い」です。
結論:いいえ。原則として土地・建物の売却損は給与とは通算できず、所有期間5年超のマイホームの譲渡など、特定の条件を満たした場合だけ特例で通算できます。
結論:自分が住んでいた居住用財産であること、所有期間5年超であること、住宅ローン残高と売却額の関係など、特例ごとの要件を満たす必要があります。
結論:特例を使えるマイホームの譲渡損失であれば、翌年以降3年間にわたって繰越控除でき、各年の給与所得などから順次差し引くことができます。
結論:必要です。給与所得者であっても、不動産を売却して損益通算や繰越控除を使う場合は、原則として自分で確定申告を行う必要があります。
結論:マイホームを売却して新しいマイホームを取得する「買い替え」の場合にも、一定の条件のもとで譲渡損失を他の所得と損益通算・繰越控除できる特例があります。
結論:他の土地・建物の譲渡益との損益通算は可能ですが、給与や事業所得との通算は原則できません。マイホーム向けの特例との違いに注意が必要です。
結論:「自宅として住んでいたか」「所有期間5年超か」「住宅ローン残高が売却額より多いか」「今後3年も給与所得が見込めるか」を整理し、そのうえで特例名を指定して税理士や税務署に相談するのが確実です。
不動産売却の損益通算は、原則として土地・建物の売却損を給与所得と相殺することはできませんが、所有期間5年超のマイホームをローン残高を下回る価格で売却した場合などには、「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」などの特例により、給与所得と通算して所得税・住民税を大きく減らし、さらに3年間の繰越控除も使えます。
一言で言うと、「マイホームの『痛みの大きい売却損』だけは給与とぶつけて救済してもらえる可能性があるため、自宅売却で損失が出そうなときほど、損益通算と繰越控除の特例を前提に、売却タイミングと金額・ローン残高・今後の給与見込みを整理しながら、賢く税負担を抑える設計をすることが重要です」。
損益通算特例を活用するためのチェックリスト
マイホーム売却で損失が出た場合、損益通算が使えるかどうかを判定するために、以下を確認してください:
損益通算と繰越控除の活用シーン
損益通算特例が最も効果的な場面:
年収800万円のサラリーマンが、オーバーローン状態のマイホームを売却
複数年にわたる節税効果
| 年度 | 給与所得 | 繰越損失 | 課税所得 | 節税額(概算) |
|---|---|---|---|---|
| 売却年 | 800万円 | - | 100万円 | 約140万円 |
| 翌年 | 800万円 | 700万円 | 100万円 | 約140万円 |
| 翌々年 | 800万円 | 0万円 | 800万円 | 0円 |
| 合計 | 2,400万円 | - | - | 約280万円 |
注意点と落とし穴
マイホーム売却で損失が出た場合、この特例は非常に強力な節税手段となります。売却前に必ず確認し、活用できる場合は積極的に活かすことをお勧めします。
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